囲い庭の家
2020.3
北海道江別市

北海道江別市に30代ご夫婦と子ども1人の3人家族のために計画した住宅です。閑静な住宅街に位置し、北側接道でほか三方向を住宅に囲まれた約80坪の敷地です。
オーナーからの要望は空の見える家。日常的に空を見ることで心の安らぎを感じており、自宅でも空を感じながら生活したいとの事でした。敷地の南・東・西を住宅で囲われた状況で、屋内から空を切り取るには天窓かハイサイドライトを設ける必要があります。天窓は積雪寒冷地である北海道で採用するには十分な勾配が求められ、敷地の広さ的にも落雪屋根で計画することは現実的では無かった為、ハイサイドライトを利用して空を切り取る方法を採用しました。また、屋内と庭が近い関係である事も求めていた為、このハイサイドライトを床まで伸ばし、二層重なった大きな窓を一体化して計画しました。結果一つの大きな窓で空を眺めながら、庭へのアクセスも容易となり、南面に配置することでたくさんの光の入る内部空間を実現しました。一方で南面の大きな窓は敷地の三方向を囲む隣家からのプライバシーの問題があります。そこでこの大きな窓を二層分の壁で囲った、囲い庭を計画することとしました。囲い庭の壁には、採光や隣家からの視線などをオーナーと相談しながら開口部を設けていき、採光量やプライバシー性を調整しました。
住宅街において開放的な住宅を作ることはプライバシーの問題とセットである事が多い中で、囲い庭はそれらを両立させ、生活の質を向上することにつながったのではないかと感じています。

設計:堀部太建築設計事務所
施工:株式会社 丸三ホクシン建設
撮影:佐々木育弥
 
規模:木造2階建て
面積:延149m2(45坪)